尾之上 さくら 
(おのうえ さくら)

職名・学位】准教授・博士(歯学)
学歴
私立捜真女学校高等学部卒業
私立北里大学衛生学部衛生技術学科卒業
日本歯科大学歯学部衛生学研究室にて博士(歯学)取得 
職歴
日本歯科大学歯学部衛生学研究室(現在の助教)
独立行政法人理化学研究所遺伝子多型センター研究員
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター研究員
関東学院大学工学部物質生命科学科助教
関東学院大学理工学部理工学科専任講師
関東学院大学理工学部理工学科准教授  
主な所属学会
日本解剖学会、日本細菌学会、日本材料科学会、
日本産業衛生学会、 日本食品化学学会 、
日本エンドトキシン・自然免疫研究会 
免許・資格等
衛生検査技師・臨床検査技師免許
第一種衛生管理者免許 

≪細胞生物学研究室 研究室紹介≫

 私の研究室では、動物由来培養細胞を使って、食品由来成分の影響について研究を行っています。 

 現在、私は主に2つの研究テーマに力を注いでいます。1つは、食品、飲料、歯磨剤、化粧品などに使用されている食品添加物の複合影響です。食品添加物は、食品安全基本法に基づき使用基準が定められていますが、この基準は食品添加物を単独で使用した場合であり、複数の食品添加物を同時に摂取した場合を想定した安全基準を定めることは困難です。これまで、食品添加物の単独あるいは複合影響に関する論文は多くありますが、それらを精査しますと、依然として、食品添加物の安全性について議論の余地があると考えます。 

 この実験には、ヒト小児由来神経芽細胞腫細胞(NB-1細胞)を神経細胞様(細胞体から多数の突起が伸長し、突起を介して細胞と細胞が接している状態)に分化誘導して使用しています。また、ヒト結腸癌由来株化細胞(Caco-2細胞)については小腸上皮細胞様に分化誘導し、腸管のような吸収能力を獲得した状態で使用しています。食品添加物による複合影響としては、特に、細胞表面および細胞小器官の形態学的な変化について観察を行っています。 

 もう1つの研究テーマは、乳酸菌の細胞壁の主要成分であるペプチドグリカンの組成と免疫反応との関連性についての検討です。ペプチドグリカンは、細菌が共通に有する免疫刺激物質と考えられており、哺乳動物のマクロファージや樹状細胞などの免疫担当細胞に認識され、様々な免疫反応を引き起こすことが知られています。また、組成の異なるペプチドグリカンでは、認識される細胞内受容体が異なるため免疫反応に違いが現れる可能性があると考えられています。現在、いくつかの乳酸菌から組成の異なるペプチドグリカンを抽出精製しています。それらのペプチドグリカンを用いて、マクロファージ様に分化誘導したヒト単球系細胞株細胞(THP-1細胞)からのサイトカイン産生量について比較検討しています。 

 そのほか、いくつかのテーマがありますが、大学院の学生および卒業研究の4年生は、自分の研究テーマを選び、私と共に研究を行っています。私たちの研究では、培養細胞を維持するにも細かな手法と多くの時間を要しますが、学生と共にデータを積み重ねていき、仮説が立証できたときの喜びは何物にも代え難いものがあります。