川原 一芳 
(かわはら かずよし)

職名・学位】教授・農学博士
学歴
1982年
東京大学大学院農学研究科博士課程修了(農学博士)
(研究室:当時の応用微生物研究所第4研究部門) 
職歴
1984年~1986年
ボルステル研究所(当時の西ドイツ)研究員
(細菌のエンドトキシンの研究に従事)
1986年~2004年 
社団法人北里研究所(現在は北里大学と合併)研究員 
2004年~現在 
関東学院大学教授(2013年に工学部から理工学部に改組) 
主な所属学会
日本細菌学会、日本農芸化学会
日本エンドトキシン・自然免疫研究会
国際エンドトキシン・自然免疫学会 

≪細菌生化学研究室 研究室紹介≫

 私の研究室では、微生物の中でも細菌(バクテリア)を使って、細胞の表面にある脂質や糖脂質の研究を行っています。大学院の学生や卒業研究の4年生には、私の研究テーマの中からそれぞれ独立したテーマを選んでもらい、比較的自由な雰囲気の中で楽しく研究を行っています。 

 今現在、私が集中的に研究しているのは、タイ国の海岸から分離された細菌(Aureispiraという菌)から私が発見したセラミドについてです。細菌がセラミドを大量に持っているのは貴重な発見で、化粧品などに利用可能な物質でもあるので、早く論文発表しなければ、と頑張っているところです。これまでにもSphingomonasという菌のスフィンゴ糖脂質(セラミドに糖が結合したもの)を化粧品の素材として、企業と一緒に実用化したことがありました。この物質は特殊な免疫活性も持っており、以前この研究で、Natureに発表した論文に共同研究者として名前を入れてもらうという貴重な経験をしました。 

 もう一つのメインテーマはエンドトキシンあるいは内毒素と呼ばれる細菌のリポ多糖という物質に関するものです。これまでにも、ペスト菌のリポ多糖について研究成果を発表して国際的に注目されたことがありましたが、今は大腸菌のリポ多糖を遺伝子レベルで改変して、新しい構造と免疫活性を持つリポ多糖を作り出そうという研究を行っています。リポ多糖はワクチンに加えるアジュバント物質の候補としても重要なので、さらに研究を発展させて社会に貢献したいと思っています。 

 これ以外にも、様々な乳酸菌の脂質に関する研究や、環境汚染物質、プラスチックなどの細菌による分解についても研究していて、毎年それらの研究から、学生の数に合わせてテーマを用意し、学生たちは自分が選択したテーマについて1年間研究に取り組みます。