海老原 充 
(えびはら みつる)

職名・学位】教授・博士(農学)
学歴
静岡県立韮山高等学校卒業
東京大学理科二類入学
東京大学農学部農芸化学科卒業
東京大学大学院農学系研究科修士課程入学
東京大学大学院農学系研究科修士課程修了
東京大学大学院農学系研究科博士課程入学
東京大学大学院農学系研究科博士課程単位取得退学
職歴
東京大学農学部助手(現在の助教)
英国Imperial Cancer Research Fund(研究員)(現Cancer research UK)
理化学研究所脳科学総合研究センター(研究員)
京都大学大学院先端領域融合医学研究機構(研究員)
カナダ・Montreal University(研究員・McGill University兼任)
石川県立大学生物資源環境学部(准教授)
関東学院大学理工学部(教授)
放送大学客員教員
主な所属学会
味と匂学会、分子生物学会、農芸化学会、動物学会、
時間生物学会、 植物生理学会

≪動物分子生物学研究室 研究室紹介≫

<動物の味覚研究>
 自然と触れ合う機会が少なくなったとはいえ、子どもの頃に生き物と触れることは、多くの人が経験していることでしょう。動物園や水族館で様々な動物たちの行動に不思議を感じたことがある人もいることでしょう。
 動物分子生物学研究室では、動物たちの食行動や味覚受容の不思議について分子レベル、細胞レベル、そして個体レベルで研究しています。
 皆さんは、水族館でイルカショーを見たことがあるでしょうか。彼らは、「海水とともにエサを飲み込みます」。人間が同じようにご飯を海水とともに食べたならば、塩辛さでむせてしまうことでしょう。また、噛まずに飲み込むと料理の味がわからないのではないでしょうか。このような行動の観察結果から、イルカは塩味を始め様々な味覚を受容できないことが予想されますし、事実、分子レベルの研究からイルカが味覚を持たないことが明らかになっています。
 生物は、生育環境やそこから得られる食べ物に合わせるかのように、自らの味覚を取捨選択し、必要な味覚のみを受容するように進化してきていることが明らかになりつつあります。本研究室では、このような動物の味覚受容とそのメカニズムについて、分子生物学的、細胞生物学的はもちろん、行動解析、コンピューターを用いた比較ゲノム解析などの手法を用いて研究しています。

<その他の研究や活動>
(1)鳥類の雌雄鑑別
 鳥類の約半数は見かけで雄雌が判別できません。これは稀少動物を繁殖させる上で大きな問題となってしまいます。そこで、遺伝子レベルで鳥類の雌雄鑑別を行っています。あちこちの動物園からペンギン、フラミンゴ、インコ、フクロウなど、様々な鳥類の鑑別依頼をもらっています(連絡いただければ、無料で鑑別いたします)。

(2)味覚研究室ならではの活動
 味覚を鍛えるために、基本五味の官能検査を行っています。また、その成果を確かめるために、「利き茶」を行って、各種のお茶を区別できるかなど、ゲーム感覚を通して学んでいます。時には研究と離れて、「ピザ全種類を食べる」といった「食べること」に関したイベントも行っています。

(3)その他
 小学生から高校生まで、遊びながら学ぶことを目指して、「人工イクラ」を作り、その原理を紹介しています。また、組換えDNA技術を使わず、栽培条件を工夫することで双葉のあとにすぐ花が咲くアサガオを作るなどの活動を通して、生物の不思議・面白さを紹介しています。

≪その他の研究紹介リンク≫

模擬講義『足の遅いカメがウサギに勝った理由~イヌよりすぐれた嗅覚の勝利~』